『とある新人漫画家に、本当に起こったコワイ話』をkindle Unlimitedで読みました。
ピンクの背景に白抜きの手書き文字が目立っていて前から気になっていたんです。
内容は、新人漫画家が角川の編集とのトラブルを暴露したエッセイ漫画です。
一方的な告発ではあるけど、それを差し引いても「酷いなー」と思います。
でも、漫画自体は文字が多くほとんどが作者の愚痴です。
「ここまで書かなくてもわかる…んだけど、それだけ貯まっていたものがあるんだな…」とは思うんだけど、この不満て『誰に』対してのものなんだろうか?
私は知らなかったんですが、この角川の編集さんとの騒動はネットでも話題になっていたみたいなんです。
Twitterで作者がつぶやいたことで、炎上したようです。
角川に対する批判が多かったんだと思いますが、作者に対しての批判もあったようです。
そんな背景があり、この本は角川への不満の暴露本と言うより、ネットで暴露した事の言い訳本と言う感じがしました。
当時のネット事情がわからないと、エッセイ漫画を読んでいても「???」と言う事が多かったです。
角川以外にも『ねとらぼ』が実名で批判されていますが、炎上騒動を受けて作者の『商業引退表明』というタイトル記事をだした事を怒っています。(画像の引用の問題などもありますが)
エッセイを読むとTwitterに『漫画家辞めたい』と自らつぶやいているので、ねとらぼが『商業引退表明』とタイトルをつけるのはおかしくないような気がするんですけどね。
その時のねとらぼの電話対応が悪かったので、その怒りもあるのかと思います。が、ねとらぼ側が反論の記事を出しています。
ねとらぼの記事によると、電話での態度が悪かったのは作者のようです。
記事をそのまま信用するわけではないけれど、作者自身がこの当時は記憶があいまいだったと書いているんですよね。角川の対応にうつ状態になっていたと。なら、自分と相手の対応を混同して覚えていても不思議じゃないよね。
でも、この話で怖いのは、この暴露本を出版した飛鳥新社の対応かな。ねとらぼ側の反論記事の取材に対しての対応がいい加減なようです。
この作者さんは騒動当時にこの暴露本の編集さんから連絡を貰い救われたように書いてますが、その人もまた良い編集さんではなかったのか…と絶望感があります。
あまりに漫画の文字数が多く愚痴と言い訳ばっかりで、エッセイとして面白くありませんでした。
結局、途中で読むのを止めてしまいました。
角川の編集さんのダメっぷりと、それに対する作者の突っ込みは結構笑えるものも多かった(当事者には笑い事じゃないだろう…)けど、不必要な言い訳が多すぎです。
文字量は1/3、いや、1/10でも角川に対する不満の暴露本としては成立したと思います。自己保身に走り過ぎ。
でも、作者の言いたい事もわかります。
この事件があったのが2015年末~2016年春で、2017年6月に暴露本出版と、うつ状態だった作者の精神が回復するまでの時間がなかったのかな。
5年後くらいに書けていたらちょうど良かったかも。