『伝説のお母さん』をkindle Unlimitedで読みました。
昔、魔王を倒した伝説の魔法使いの主人公が母親になり、魔王が復活したけど、待機児童問題で子供を保育園に預けられないから冒険に出られない!!と言うお話です。
ドラクエ風RPGの世界で現代の問題をコメディタッチに風刺した漫画です。絵は下手だけど帰ってファミコンっぽい雰囲気で懐かしい。
テキストはRPGの雰囲気を残しつつ、しっかりと現代の女性の置かれている問題が描かれています。
それでいて、ちゃんと笑いも忘れず、深刻になり過ぎずに最後まで読めます。
面白く読めたんだけど、結局は『母親は大変なの~!!』と言う愚痴でしかなく、作者のあとがきでもやっぱり現代の『母親は大変』と言う愚痴。
いい加減にして欲しいと言う気がする。
私も二児の母親で、確かに大変、わかるんだけど…、母親だけが大変じゃないよね。
父親だって大変だし、程度の差こそあれみんな大変だと思う。
『子育ては母親だけが大変なんだだから、察して母親を優遇しろ!』って言う内容に思えるけど、父親だって昔から働いて稼いで来ることが当たり前の生き方を強制されているわけで、それはそれで大変だと思う。
父親が『父親ばっかり働かされて大変!』なんて愚痴を言ったらどうなるのか? 女性の働く場所がないって言う問題があるけど、育児だって男性に向いてない事がある。障害の程度で言えば、女性が働く事と、男性が専業主婦になる事は似たようなものだと思います。
そんな世の中なんだから、母親だって我慢しなければいけない事があると思う。誰が悪いわけでもなく、社会のせいで、男女関係なく被害者で加害者なんだと思う。大っぴらに愚痴が言えるだけ女性は優遇されているとも思う。
この主人公の場合は伝説の魔法使いなので、優遇して魔王を倒しに行ってもらった方がいいと思いますが。
でも、結局は夫婦の問題で、「いつも子育てありがとう」「働いてくれてありがとう」って言えるような夫婦なら、多少の困難は乗り越えていけると思う。
待機児童など実際に問題ではあるけど、夫選びに失敗した人が社会のせいにしてより大きな問題にしている気もします。この漫画では。
主人公の夫も最初は家事・育児に無関心だったけど、手伝ってくれるようになて問題が解決しています。伝説の魔法使いともあろう人が何故そんな男と結婚したのか?謎です。
話はかわって、『なぜ子供を産んだ女性キャラが冒険にいけないのか』と、あとがきに作者が書いていますが、確かにお母さんが仲間になるRPGがあってもいいですね。
この『伝説のおかあさん』の主人公も母親になる前に優秀だったから冒険に出られたわけで、レベル1からスタートするわけじゃないんですよね。
子育ての社会風刺とか無しで、15・6歳の少年主人公と一緒に冒険するお母さんが出てくるRPG風のストーリー漫画を読んでみたいです。
が、小さな子供がいるお母さんが冒険に出る理由って、『子供を殺されて魔王に復習』とか『子供が呪われていて一か所に留まっていられないから旅をする』とか悲惨なものしか思いつかない…。
『夫婦げんかして子供を置いて家出』じゃ無責任すぎるし。
『夫が怪我(病気)でお金を稼ぐため』でもその間子供は?って思うし。
子供が大きければ『第二の人生、冒険者になります』ぐらい軽くていいのに。お母さんじゃなくておばあちゃんになってるだろうけど。
小さな子供がいる十数年くらい、家で子育てできるのは幸せの証なので、わざわざ魔王を復活させることはない気がします。
そうできないのが問題なんですよね。