全然興味がないタイトルでしたが、kindleのセールで99円だったのでサンプルだけ読んだら面白すぎて、すぐに続きを購入してしまいました。
『国のために死ねるか 自衛隊「特殊部隊」創設者の思想と行動 (文春新書)』と言うタイトル通り、自衛隊の「特殊部隊」を作った人の本です。
正直、「特殊部隊」が何なのかもよくわからないし、SWATとどう違うの?と言う感じでした。(この本は『自衛隊』の特殊部隊の話で、SWATはアメリカ警察の特殊部隊。日本の警察はSATらしい…)
サンプルでは「特殊部隊」を作るきっかけととなった事件、1999年に北朝鮮の不審船と遭遇した時の海上自衛隊の様子が克明に描かれています。
二十歳そこそこの自衛隊員の青年たちが、ついさっきまで自分たちが死ぬことはないと思ってくつろいでいたのに、今は漫画雑誌を防弾チョッキ代わりに不審船に乗り込んでいこうとしているんです。殺されると覚悟して…。
と、ここでサンプルは終了。続きがとっても気になります。
この当時私もこの青年たちと同世代でニュースでこの事件を知りましたが、誰かが死んだなんてことは耳にしなかったので、まあ生きてるんだろうな、とは想像がついても、当時、のほほんと見ていたニュースの裏ではこんなことがあったのか、と緊迫した描写に引き込まれました。
セリフや描写が細部まで鮮明でリアリティがあり小説を読んでいるようです。
著者の伊藤祐靖さんは元自衛隊員なわけですが、こんなに文章が上手いのかと、ゴーストライターが書いてるんじゃないかと疑ってしまいます。
この事件の後に、自衛隊の「特殊部隊」が創設され、訓練の様子や、その後に自衛隊を辞めてからの事が書かれていますが、どれもなじみのない話なので興味深いです。
が、サンプルを読んだ時に想像した小説のような面白さとはちょっと違う感じでした。
著者の生き方、思想みたいなものが多く、「いざと言う時にどう戦うか」と言う本なのです。
「いざと言う時」と言うのは「戦争になったら」と言う事ですが、平和な今を生きている私にはピンときませんでした。
楽しい事もほどほどに、来ないかもしれない「いざと言う時」の為に身体を鍛えるなんて言うのはバカみたいで滑稽に思えてしまいます。
いざと言う時の為に、毎日料理して、健康に気を付けるのが大事だと言う事が書かれているんですが、日々の仕事で疲れているのに帰って自炊するのがどれほど大変か、と言う事も書かれています。
確かに…。
戦争を考えて生きるなんて妄想の世界に生きているようなものです。
大事な事だとは思うけど、一般人には身近な話ではなさすぎる…。
警察官なら、事件や事故がいつもあるからわかるんだけど。
自分は難しいけど、「いざと言う時」の為に頑張れる人を応援したいと思います。
守ってもらう立場なので、守りたいと思ってもらえる存在になろうと思いました。
ところで、この本には優秀な自衛官の人がでてきますが、少女漫画とか乙女ゲーに出てくるような人で想像が膨らみました。
『5時から9時まで(1) (フラワーコミックス)』でモモエ先生がはまってるBLの表紙に海上自衛隊と書かれていてたのが印象に残っていて、そういう趣味は無いけど、なんかチラつきました。